DRIP(配当再投資制度)とは

米国株
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DRIPとはDividend Reinvestment Planの略ですが、配当を現金ではなくて株でもらう制度、配当再投資制度のことです。個人投資家にとっては手数料負担がないことや複利効果によって長期の投資において有利に働き、企業にとっては安定的な株主が増えることによって株価が安定するといった利点があります。この制度はアメリカの制度で日本ではこのような制度はありません。

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配当をお金ではなく株でもらう

日本の場合だと配当金領収書や、銀行口座や証券会社口座への振り込みで配当金を受け取っています。配当金には税金がかかりますので、源泉徴収された残りを受け取っています。この配当金で株を再投資したくても、配当金が単位株の金額以上なくてはいけませんし、どうしても端数がでてしまいます。また株を買い足すと売買手数料がかかります。しかも自動で行ってくれませんので、手動で発注作業を行う必要があります。

DRIPの場合は、DRIPに申し込んでおくと、配当は源泉徴収されたのちに、配当金で株が自動的に買い増しされます。もちろん配当金は株価より低いですので単位株に足らず余りがでますが、端株で買い足されます。これにかかる手数料はなく無料です。

DRIPの利点

DRIPの利点は以下の通りです。

  1. 売買手数料が発生しない
  2. ドルコスト平均により、株価が安い時には多く、高い時には少なく買いますことができる
  3. 手間なく自動で再投資される
  4. 少額資金でも投資が可能

DRIPの仕組み

アメリカの株式を発行している企業の大部分はDRIPを運営していて、米国株を一株で良いので自分の名義で手に入れるとその株の会社にDRIP口座を申し込む権利を得られます。

DRIPに申し込むと、配当日に配当金はアメリカの税金を引かれた後に、その金額分の株数を受け取ります。取得株価は所定の期間の平均値より決められていますので、配当当日に株価が上がってといった現象は起きません。株数は1株未満も割られて割り当てられます。

配当金だけでなく、小切手をその会社に送ってその金額分株を買い増すといったこともできる銘柄もあります。

証券会社が提供するDRIPもある

通常DRIP口座を申し込む際には、Temper of the Times Investor Services, Inc.などのサービスを利用して申し込むことができますが、Firstradeなどの証券会社でもサービスを行っています。

証券会社が提供しているDRIPの場合、直接投資先の企業にDRIP口座を開くことは行わず、自分の証券口座内で配当ごとに株が買い足されることになります。もちろん端株に対応しています。

証券会社のDRIPの利点

証券会社が提供しているDRIPの場合の利点をまとめます。

すべての株がDRIPに対応しているわけではない

配当がないような会社は当然DRIPに対応していませんが、DRIPに対応していない会社もありますが、証券会社では配当しているほぼすべての株でDRIPを行うことができます。

手数料が無料

直接申し込む場合はno-fee DRIPの銘柄であれば完全無料なのですが、実は有料のものもあります。例えばThe Coca-Cola Companyは以下のように有料です。

cost for DRIP

The Coca-Cola CompanyのDRIPは有料

でも証券会社が提供するものは無料だったりします。Firstradeは無料です。

売るのが容易

実はこれが一番大きいかもしれません。売りたいときに売りたい値段で指値を入れたり自由にできることです。DRIPで申し込んだ株を売るのは、売るときのフォームに書き込んで送ったりで手間がかかりますし、指値なんてできません。やっぱり売るときのことを考えると証券会社が良いです。でも売買手数料がかかりますが。端株は全株を処分した時に処分されて口座残高に反映されます。

送金手段

直接DRIPを行うのであれば小切手が送金手段になりますが、証券会社を使えば銀行振り込みやACHが利用できます。

手続きが簡単

直接の場合、申し込みには銘柄ごとになって面倒ですが、証券会社の場合チェックボックスにチェックする程度で簡単に手続きができます。いろいろなところに個人情報を送らなくて済むのも助かります。

証券会社のDRIPの欠点

欠点も挙げておきます。

買い増し方法が通常の株式売買になる

DRIP口座では現金で株を端株を含んて買いますことができますが、証券会社の場合は単位株での取り引きで売買手数料が発生します。

買い取り株価決定が短期

配当当日の取引開始時の株価などになります。ピークをつかまされる可能性があります。

割引が受けられない

まれに株価の数パーセントを割り引いてくれるような銘柄が存在します。その場合は直接申し込むほうがお得です。

DRIPは米国株の魅力の一つ

TOYOTAのような日本企業のADRもDRIPに対応しています。アメリカの証券会社に口座があれば、さらに活用範囲は広がります。米国株は長期投資に見合う優良銘柄が多いですし、配当性向も高くDRIPに向いている銘柄が多いと思います。配当を現金で受け取って生活費に使うとかでないのであれば、DRIPの活用は絶対にお勧めの投資方法です。

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