デフォルトとは、金融機関や政府など債券の発行者が借りたお金を、期限までに返済できなくなった状態のことです。会社の場合では経営破綻とか倒産と呼ぶ状態のことです。
借金は増えてそのうちに自転車操業に
収入に見合わない支出を繰り返していくと借金が増えていくことは容易に想像が付きますよね。どこかで踏みとどまってがんばって返済しないと、借金で借金を返すような自転車操業に陥ります。これは国だろうが個人だろうが同じです。
もうこうなってしまうと抜け出すのは至難の業で、いつか景気が良くなって借金は返済できるといったかすかな希望にしがみつきながら、じわじわと首を絞められるようにデフォルトへの道を辿ることとなってしまいます。
デフォルトするときは火の車状態に
お金は信用に基づいて借りられます。借りられる額も、その利息も全て信用によって計られます。自転車操業を続けているとどんどん信用というのは下がっていきます。
格付け会社は、今現在の経済的な状態だけでなく将来も見据えてリスクの度合いを格付けという形で投資家に教えてくれます。ここで投資不適格と判断されると、急激に借りられる額が減少していきます。
もうこうなってくると誰も新たに貸してくれなくなるので、利息だけ返して自転車操業を繰り返すということもできなくなってきます。
IMFの出番に
IMF(International Monetary Fund)は、世界経済や為替相場の安定を目的に設立されています。お金を貸して儲けようとは思っていない専門機関です。まさに国家が火の車に陥ったら救い出してくれる特別な機関だといえるでしょう。
でもIMFがお金を貸すのには条件が付いてきます。色々と政治に関与してくるわけです。大抵が現政権には厳しい条件が突きつけられることになります。政府だけでなく、財閥のような民間にも影響を及ぼしてきます。
援助してくれる国を探すというのも
政府としてはIMFの厳しい条件よりも、どこか一つの国に土地を貸し出すとか港を自由に使わせるとか何かを見返りに融資してもらうほうが好都合な場合も多いです。
ただこの場合、財政を悪化させている原因を排除できることはありません。一時は良いですが、そのうちもっと財政が悪化する可能性があります。
いよいよデフォルトに
このようにデフォルトになるときはいきなりそうなることはありません。じわじわとデフォルトに近づいていきますから、みんなそれを予期してリスク対応をしています。もしも誰も予期しないでいきなりデフォルトになると、世界経済は大混乱になるでしょう。
いざデフォルトするときは、もう金融機関は備えはできているのでその国の通貨が大暴落したり、株式が大暴落したりといったことは起きないです。それよりも事前に金融機関が叩かれたりして株が暴落したり、その国の通貨が大暴落したりしています。
なので、実際にデフォルトのニュースがでると一時的に下がるとは思いますが、その後戻すことも十分考えられることになります。IMFが改革をしてくれることを期待して上がるというのもありますね。
デフォルトで通貨価値がゼロになることはない
デフォルトすると通貨価値が全くなくなってしまうように思われるかもしれませんが、デフォルトしてもIMFが支援して再建するまで管理してくれますので、ゼロにはなりません。その国に国民が居る限り、政府が変わったとしても通貨の価値はある程度保持されます。
国家の信用が地に落ちればハイパーインフレになる
ただしIMFが介在してもどうにもならないこともあります。そうなってくると通貨価値はみるみる下がってきます。もう政府が発行する通貨が信用できなくなって紙くずとなるハイパーインフレというものです。
ただデフォルトの状態とハイパーインフレになる状態には直接的なつながりがあるわけではありません。デフォルトしたからハイパーインフレになるかといえばその限りではないということです。
まとめ
デフォルトするかハイパーインフレになるかどちらにせよ、そうなる前に全てが相場に織り込まれていくことになります。そのような通貨にポジションを持っている場合、あせらず落ち着いて対処することが必要です。
ある程度の国力があるのであれば、下落した通貨を武器に輸出が増え、復活する可能性も高まります。復活を狙って投資することも十分考えられます。ただし長期的に考えれば過ちをまた繰り返す可能性がありますから、欲張らずポジションする必要があると思います。
コメント