週明けの今日は先週までのドル高の流れが多少是正される動きになっていますね。これはアメリカの10年国債利回りが2.33%くらいまでに下がってきたことが大きいと思います。利回りだけ見ると上昇途中の調整の範囲内の動きで、債券安の大きな流れに変わりはないです。先週は2.4%へ行く場面もありましたが、そこは行き過ぎで今の水準くらいで一旦落ち着くと思います。
アメリカの金利上昇で新興国通貨が売られるというニュースを見ますが、これは必ずしも正しくないです。アメリカの金利上昇するときは、新興国通貨の金利も更に上昇します。どちらかというと長い目で見ると新興国通貨が買われる方向です。一時的な動きに騙されないようにしないといけません。
まだ利上げに余裕がある南アフリカ
下は南アフリカランド(USDZAR)の日足ですが、最近はレンジの中で動いているにすぎません。アメリカの金利の影響はかなり小さいと言えると思います。24日に政策金利発表がありましたが、7.0%で変わらずでした。インフレ率上昇のリスクがあるものの、経済成長は上向き傾向で、インフレ率を見ながら中央銀行は利上げしていく余裕があると思います。
利上げしたくない大統領がいるトルコ
下はトルコリラ(USDTRY)の日足ですが、順調に売られていてるのが分かります。同じ新興国の括りで見ていると見誤ります。私も売りで入っていて3.3をターゲットにしていたのですが、一気に売られすぎたので利確後途転買いしたのですが、あっさりストップロスされてしまいました。ただ売られすぎの見方には変わりありません。また3.3に戻ってくるとみています。
トルコ中央銀行は24日に政策金利を2年10カ月ぶりに8.0%に利上げしましたが、効果はあったもののさらに売り込まれている状況です。トルコはErdogan大統領が利上げに対して否定的で、利上げしないようなリップサービスを国民に対して繰り返しているのですが、これもリラ安の原因です。8.0%への利上げは当然で更に利上げされるべきですが、大統領が黙っていてくれれば今のリラ安は改善されてくると思っています。
利上げできない日本
下はドル円(USDJPY)の日足です。実は売り込まれているトルコリラと同じようなチャートをしています。値動きは新興国並みですね。なぜこうなるかは前回の記事の通りです。
新興国通貨は買いのチャンスかも
アメリカの債券だけが売られるということはなくて、債券はまとめて売られます。ですので、金利はアメリカだけ上がることはなくて、他の国でも上がります。信用の低い国ほど売られやすく、信用の低い国の金利はさらに上がりますね。
金利は中央銀行が政策金利により誘導することができますが、マーケットの流れに合わせて政策金利を変えていけばよいのですが、意図的に金利を抑える動きはねじれを生んで為替などに跳ね返ります。
もちろんそれだけが為替に影響があるわけでもなくて、色々とリスクも多いです。新興国は政治的にも不安定なところが多く、何かあると暴落がないわけではないです。しかも先進国の金融緩和政策により長い間新興国通貨は売られ続けてきました。先進国の政策に今後も振り回されます。でもそういったリスクを承知でコントロールできる範囲内で中期的に買うのは、今面白い時期にあると思っています。
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