2018年はアメリカが好調な株式市場を背景にしっかりと利上げができた年だったと思います。トランプさんも利上げが信じられないと話していた通り、確かにインフレは酷くなくて数値的には利上げする必要はないところに利上げがされていた訳です。
好景気が続くなんてあり得ない
日本は不景気が長いので好景気のことをすっかり忘れてしまっていると思いますが、アメリカは一応好景気といえる状態にあります。サイクルからすると好景気はあと一年くらい維持できるかもですが、かなりの確率でその後は不景気になってきます。
不景気になることが分かっているのであればならなおさらですが、そうならなくても不景気になったときに、それを緩やかにするために出せるカードをしっかり持っておくことは大切なことです。
利下げは不景気に対して有効なカード
我々はリーマンショックなど金融危機を経験してきましたが、FRBが金利をほぼ0%まで利下げすることにより株価は底を打って不景気のスパイラルから脱出することができました。そこから学んだことは、金利はためらわず素早く下げたほうが良いことかなと思います。
ちなみに当時はFF金利5%程あって、10年債利回りは3.8%ほどだったのですが、そこから下げていったので幅もそれなりにありましたね。
FOMCは年2.25~2.50%に利上げ
12月19日にFOMCはFF金利の誘導目標を年2.00~2.25%から、0.25%引き上げて年2.25~2.50%としました。しかも今10人居る投票メンバー全員が賛成しての利上げになります。彼らは日本と違って、しっかりと勉強されている方々で、全員が賛成ならばその判断に間違いはないはずです。
利上げされると損する人たちがいる
債券市場というのは株式市場なんて比較にできないくらい大きな市場なんです。金利が上がるということは、昔買った債券は金利が低いままですから債券の価値が下がります。
金利の上昇は債券価格が下がるという形でも現れてくるのですが、債券価格が下がると困る人たちがいます。普通に債券を持っていれば金利が低くても損はしないのですが、なんか色々やっているそうです。
噂の域ですが、もう少し金利が上がるとアウトになる銀行が出てくるようで、そうなるとリーマンショック再びみたいな感じに負の連鎖が始まりそうです。これは危険です。
ドイツ銀行をはじめとして怪しい銀行に調査が入っていますから、いつかは問題が明らかになってくるものと思います。でもニュースになったときには株価は下げの最終段階にあるでしょう。
そろそろ利上げは危険かな
米国10年債金利は、一時3.2%を超えたのですが、今は2.78%程度で少し前の水準まで来ています。FOMCメンバーもまだ利上げに躊躇していないですから、まだ余裕はあるのでしょう。
でも4%になったらアウトとかそういった閾値的なものがあって、債券市場の動向によってはそこを突き抜けるリスクというものは利上げすることにより徐々に高まっているというのは言えると思います。
そんなわけでタイミング的にも来年は何か起きても不思議ではないかなとみています。どこまで薄氷を踏めるのか、優秀なFOMCメンバーたちの判断の変化に注視していきたいと思います。
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