メキシコペソのトランプ大統領ツイッター相場は長くは続かない

相場観
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年明け早々メキシコペソが賑やかです。大きかったのが1月3日のFordがメキシコのSan Luis Potosiに16億ドルで工場を建設する計画をキャンセルして、アメリカのミシガン工場に7億ドル投資するという報道ですね。

これが流れを作ってUSDMXNは21ペソを越えて、4日には21.6ペソまで行きましたね。5日にはメキシコ銀行が昨年2月以来の為替介入を実施して21ペソ丁度くらいまで行きましたが、トランプさんがトヨタのメキシコの新工場建設に対して「アメリカに工場を作れ、さもなければ巨額の国境税を払え」とツイートしたらまた21.5ペソ付近まで戻ったりで年明けの第一週は荒れた相場でした。

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なぜFordは新工場建設をやめたのか

同じ自動車といっても色々ある

同じ自動車と言っても安い大衆乗用車や商用の小型トラックのような製造と、ハイブリッドや電気自動車のような製造で求められる人材は異なると思います。人材の知的レベルを考えればアメリカの工場でしか作れないものもあれば、メキシコの工場でも作れるものもあります。

メキシコの自動車工場で働く人の平均賃金は月に400ドル程度だと思いますが、同じ仕事でもアメリカだと5倍くらいになります。メキシコで作れるものはメキシコで作るほうが良いのは当たり前です。

GMもChryslerもメキシコに工場がありますが、そこでは小型トラックの生産が主です。Fordだけが何を勘違いしたのか中型セダン車でハイブリッドも製造していたりしています。

Fordの賢い経営判断

Fordは小型車の工場を作るくらいだったら、今後需要が増えるだろう電気自動車などの製造に投資しようとしただけで、それがたまたまメキシコの工場建設をキャンセルして、アメリカの向上に投資するという経営判断だっただけだと思います。

しかもこれをうまく使えば結果的にトランプさんに媚びを売ることもできるので一石二鳥です。発表後にFordの株が上がるのもうなずけます。

更にその後トランプさんが競合のトヨタに圧力をかけてくれたので、Fordとしては棚からぼたもち状態だったと思います。

他の自動車メーカーが追従するような動きにはならない

トヨタはとばっちりでカローラの新工場建設でトランプさんに脅されていますが、なんかかわいそうです。メキシコの工場はカナダ向けでアメリカ向けでないので国境税とか関係ないし、工場の建設地をBajaと言っていますが、実際はGuanajuatoだし。

そもそも自動車産業はリーマンショックの影響もあって、しばらくの間新工場建設はどこも控えられていて、最近やっと大きな投資が可能になってきているところに合理的な経営に対して水を差すのは、自動車産業全体にとってよろしくないです。

メキシコで安い従来型の自動車を製造して沢山売って利益を増やして、その利益をアメリカ国内での投資に向けるほうが健全なのは明らかなので、大統領になれば周りが教育してくれると思います。なので他の自動車メーカーもFordと同じような動きになるかというとそうではないと思います。

メキシコいじめはまだ続くが

1月20日にトランプさんの大統領就任式がありますが、就任後もツイッターは続けるみたいですね。これからも色々とメキシコがらみのいじめツイートがあるものと思います。

自動車関係は不勉強が明らかになったので収束すると思いますが、メキシコにプラスになるようなことがツイートされるとは思えません。フォロワーは新たなメキシコいじめネタを待っている状態ですね。

今後のメキシコいじめツイートによって相場もある程度動くと思います。でもツイッターで政治は動かないので今のメキシコペソのツイッター相場には限界があると思います。

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