国慶節以降の人民元の不穏な動き

相場観
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人民元の下落が気になります。中国人民銀行(中央銀行)は昨日(11月21日)は対ドルで6.8985元の2008年6月以来の安値に設定し、今日は辛うじて13営業日ぶりに引き上げられて6.8779元と0.26%強くなっています。

人民元と言えば中国当局が管理しているので、それほど大きく動かないイメージがあったのですが、2015年8月に2%の切り下げを行って以降じわじわと下がってきています。特に今年の国慶節明け位から下げがきつくなってきています。このまま行くと1ドルが7元になる日は近いと思いますし、1ドル7元は通過点に過ぎないでしょう。

管理されていてこれなので、人民元の売り圧力は相当なものだと思います。その背景にあるのは今年も多く見られた中国企業による海外企業の買収と、海外からの中国に投資した資金の引き上げと、中国人の旅費や海外での投資によるものが主だと思います。これらによって人民元からドルへ両替しようと今長蛇の列ができている状態ですね。

中国の外貨準備高は10月末時点で3兆1200億ドルで、前月比457億ドル減少でした。この水準は2011年3月以来の低いものですし、こういったニュースはデータが改ざんされている可能性が高いので、もっと悪いとみるべきです。

ここ最近の下落で、中国当局はかなりドルを売って人民元を買い支えてきたと思いますが国慶節以降から実は本当の外貨準備の底が見えてきたのではないかと思っています。なのでブレーキの踏み具合を多少弱めていて、それが最近の値動きに現れているとみています。

まだ大丈夫だと信じていますが、外貨準備が乏しい状態は何かあると人民元が一気に暴落しかねない状態だということです。まずは12月のFOMC後に利上げされたら、どの程度人民元が動くか見てみたいと思っています。

daily usdcnh

USDCNH日足(CNYではありません)

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