スワップ目的でトルコリラを長期保有するとどうなるか

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トルコリラは高金利通貨ということもあり人気で、最近日本のFX業者での取り扱いが増えています。ただこの通貨は豪ドルと同じように考えると問題なので注意してください。長期保有するのであれば過去をしっかり見る必要があります。

トルコリラのスワップはリスクに対して低すぎるので注意
日本のFX業者の息がかかったサイトを見ているとメキシコペソは良いのですが、やたらとトルコリラを勧めているのが気になります。トルコリラは新興国通貨の中でもちょっと問題ありの通貨です。私もたまに手を出しますが少なくとも今は長期で保有できない状態...
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基本的に下落する高金利通貨

トルコリラ円は2008年1月は95.45円で、長期にわたって順調に下げ続け現在は26円ちょうどです。約10年間で73%程下落して1万通貨あたり69万4500円のキャピタルロスになっています。

これって恐ろしいことで、2008年1月のドル円は111.79円なので、今の107円と4%しか違わない。豪ドル円でも97.97円だったので、今の83.2円と15%しか違いません。

同様な新興国通貨でみると、南アフリカランド円は2008年1月に16.28円で、今は8.9円で45%下落、メキシコペソ円は10.22円で、今の5.9円で42%下落です。

スワップ分でチャラにするには

トルコリラ円は10年間で73%下落しているので、年間12.3%下落することになります。一方南アフリカランドは10年間で45%下落で、年間5.8%下落していることになります。

ではいくらスワップをもらえればチャラになるかということですが、ずばり上の下落分です。

トルコリラはスワップ金利が12.3%を下回っていると、南アフリカランドは5.8%を下回っていると保有しているだけでどんどん損をしますので長期投資なんてできません。

スワップ狙いのFX取引は危険なのか
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トルコリラと南アフリカランドの決定的違い

クロス円だと相手国の政策金利から、日本の政策金利を引いたものに更に手数料が引かれたものがおおよそスワップとして分配されます。年間で政策金利分は超えません。

トルコは2008年には15.5%の政策金利だったので、投資に耐えるものでしたが、今では8%しかありません。

南アフリカは2008年は10%の政策金利で、今では6.5%ですが、5.8%を上回っているので辛うじてまだ長期保有可能です。

いつかは金利が上がってとか変に期待しない

トルコがまた15%以上の政策金利に戻すのであれば、リスクをとっても良いかと思いますが、そのときがいつやってくるかはわかりません。

今は保有するだけで損をしていることに気がつく必要があります。レバレッジ1倍で保有するだけで年間4.3%ほど資産を失う計算です。

これって10年間に35.5%失う計算です。10年後にはレバレッジ3倍はとっくにアウトで、2倍の人もそろそろ強制退場ですね。

日本のFX業者は長期保有に向かない

日本はレバレッジ規制があってどんどん投資家が締め上げられているので、10年後には更に厳しい規制になって、長期保有していると10年を待たずにアウトになる可能性もあります。レバレッジ1倍だから絶対大丈夫といっても、レバレッジ規制が5倍になると36.5年で強制ロスカットがかかる計算になります。これだったら正直直接債券買ったほうが良いです。

さすがに36年後には国自体がどうなっているか分からんですが、くれぐれもリスクのとりすぎには注意が必要ですね。

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