スワップ狙いのFX取引は危険なのか

取引手法
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日本人でFX取引をされている方の中には、スワップ狙いの人が多い気がします。スワップ狙いでポジションをとってみたら、どんどんと値が下がっていってスワップで貯まるよりもポジションの損失が膨らんでしまって、こんなはずじゃなかったのにと思うこともあるかと思います。今回はスワップを狙った取引のリスクについてまとめてみたいと思います。

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そもそもスワップとは

FX取引では日本円を売って、南アフリカランドを買うZARJPYのような、売る通貨と買う通貨を組み合わせた通貨ペアで取引をします。売る場合その通貨を金融機関から借りてから売って、買う場合その通貨を買って金融機関に預けます。

金融機関では借りていれば金利をとられるし、預けていれば金利がもらえます。金利は政策金利に基づきますが、例えば南アフリカでは6.75%とか、日本だと0.1%とかのように、国によって政策金利というのは異なります。

日本円を借りて払う金利よりも、南アフリカランドを預けてもらえる金利のほうが高いのでZARJPYを買っているとその金利差分がスワップとしてもらえることになります。

政策金利は変わる

政策金利は、景気が良いと上げたり、景気が悪いと下げたりと市場を調整する手段として使われます。市場の状態をみて中央銀行がその調整をしますので、政策金利というものは一定ではありません。

南アフリカは2008年には政策金利は12%でしたが、2012年には5%まで落ちて、2014年からまた少し戻してきて今現在6.75%になっています。

スワップは一定ではない

スワップも政策金利に基づいていますので政策金利の変動に合わせて変化していきます。決して一定ではありません。国によってその変動は異なります。

借りている金利が、預けている金利よりも高くなるとスワップはマイナスになります。実際はスワップの中に手数料が入っていますので金利差がまだプラスでも近くなるとマイナスになります。

為替の変動でも変化する

スワップは金利だけでなく為替相場が動くたびに影響を受けます。政策金利は頻繁には変わりませんが、相場は日々動くのでスワップも日々違います。

ZARJPYが8円だったとして、10万通貨買ったとします。これは80万円借りて、10万ランドを預けている状態です。でもZARJPYが5円になったら、10万通貨買ったときは、50万円借りて、10万ランドを預けている状態になります。

もしも政策金利に変化がないのであれば、5円の時のほうがスワップが高くなります。なぜならば50万円借りたときに支払う金利のほうが、80万円借りたときに支払う金利よりも安いからです。

スワップ狙いの取引はある

スワップの変化は緩やかなのでスワップを狙った取引はあり得ます。スワップがプラスの通貨の場合、相場は緩やかに上がり、急激に下がる傾向があります。下落トレンドが終わればじわじわと戻してくるのをスワップをもらいながら待つ作戦です。

昨年にメキシコペソのセリング・クライマックスあたりでそろそろペソを仕込む時期だと何回か記事や週刊Spa!で紹介しましたが、こういった仕込みは差益だけでなくスワップも狙っています。

トランプ暴落のメキシコペソは戻り狙いで
週刊SPA! 2016年 10/11・18 合併号をご覧いただいた方もいらっしゃるかと思いますが、そこでメキシコペソに関する取材を受けさせていただきました。やはりUSDMXNは20を越えてきて金曜日には21.39まで急落して、今現在は20....

もちろん半永久的にポジションを持っていようとも思っていなくて、期間的には一年以内にポジションの大半を落として、一部は遊び感覚で保有しているだけでポジションを取った値に戻ったらクローズするだけです。もう負けはありません。

スワップ狙いは危険か

私の紹介したメキシコペソトレードの場合はスワップはおまけで、主体はペソ大暴落の戻りを長い目で狙うものです。もしもスワップが主体だとするとそのトレードは危険になる可能性があります。

「何も考えずにポジションをとり、スワップが貯まるのを待つ」というのだけが戦略だとすると、それは非常に危険なギャンブルです。たとえ最初の数年プラスになってもいつか相場が安くなっていきマイナスに落ち込む時期がくることになります。

ストップロスをどうするか

スワップ狙いを主体とする場合、100pipsとか小さなストップロスを設定するとすぐに引っかかってしまうので、かなり大きなストップロスを設定しなければいけません。

ということはストップロスに引っかかるとかなり大きな損失が確定してしまうことになります。いったん相場から退場して、半年くらい頭を冷やしてから再度スワップ狙いをするというのは良いかもしれません。

しかし、ストップロスからすぐに同じようなポジションを取りに行ってしまうようだと証拠金をすべて溶かしてしまうのが見えていると思います。そういったことをするくらいだとストップロスは設定しないほうがすっきりします。

証拠金までリスクを許容できるが

FX取引はストップロスを設定していない場合はリスクは証拠金まで(日本のFX業者の場合は追証を請求してくる場合があります)ですが、マイナスに落ち込む時期がきたときにしっかり証拠金があるかどうかです。

レバレッジを低く十分に証拠金を預けていたとしても、マイナスに落ち込んだまま戻ってこないということも往々にしてあります。ですので低レバレッジだから大丈夫といのも危険な発想です。

まとめ

スワップを主体とするということは長期にわたってポジションをとるということです。長期にわたってポジションをとるとその間は予測が困難というか不可能です。マイナスがかなり大きくなり、証拠金が足りず強制的にロスカットになってしまう危険性があります。

「いつかはプラスになるさ」と根拠がない期待は危険です。FX取引ではそれが致命傷になることもあり得ます。根拠をもって取引をし、スワップはおまけとして考えるべきです。

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