人間心理に裏打ちされた支持線と抵抗線を使って相場の未来を予測する

テクニカル分析
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最近は自動売買やシステムトレードなどが盛んですが、今でも株価や為替の動きには人間心理が大きく影響を及ぼしています。チャートに現れる様々な現象の裏には人間心理が隠されています。支持線(サポートライン)や抵抗線(レジスタンスライン)が形成される人間心理について考えていきます。

 

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市場参加者の4分類

FXでも株でも、市場には買いたい人と売りたい人がいます。更にこれからポジションを取ろうとしている人と、すでにポジションを持っている人がいます。これを表にまとめると以下のようになります。

ポジション買いたい売りたい
なしAさんBさん
ありCさんDさん

ポジションを持っていなくて買いたい

上の表のAさんは、ある銘柄を買いたいと思っているのですが、当然少しでも安く買いたいわけです。過去の値動きを見て、今の値が安いのか高いのか判断しながら買うタイミングを待っています。

待つことができず買いの衝動が抑えられないですぐに買ってしまう人もそれなりに居ます。この位置にとどまることが難しいポジポジ病を患った人も大勢いたりします。

お、良さそう。買おう買おう。

ポジションを持っていなくて売りたい

上の表のBさんは、ある銘柄が下がると思い信用取引などで売るタイミングを待っています。普通は何かしら根拠があって売りポジションを取ろうとしていますので、入るタイミングもその根拠に基づくものになります。

ここら辺で下がりそうだな。ちょっと儲けるか。

ポジションを持っていて買いたい

上の表のCさんは、基本的に買いたくてポジションをすでに取っているのですが、値が下がってきたら買い増ししようかなと思いますし、値が上がったらもう少し買っとけばよかったと後悔したりします。

もちろん損はしたくありませんので、買った値段よりは高く売りたい。自分の買った値段を強く意識して、決済タイミングを見計らうことになります。

もっと買うぞ。高く売るぞ。

ポジションを持っていて売りたい

上の表のDさんは、もうすでに売りポジションを持っているのですが、自分が思っているように下がってきたら、より確信してもっとポジションを取っていこうと考えますし、逆に上がったら上がったで、売りやすくなり更に売ろうと思ったりもします。

売りは買い戻さないといけませんので長く持てないということもありますが、普通ポジションは長く持ちません。損失をため込むと追証になったりしますので逆に動けばすぐに決済しがちです。

もっと売ってやる

多くの人が買って支持線ができる

相場は売りたい人と買いたい人がいて成り立ちますが、ある値付近で売り買いが釣り合ってしばらくもみ合う状況になることがあります。このとき新しいCさんが大勢出来上がります。

買うぞ!

Cさんは、ある程度値が上がると売ってしまってAさんになる人もいます。そして売りの圧力が次第に増してまた支持線付近に値が戻ってくることもあります。そうなるとAさんはもう一度値ごろ感から買い直しCさんに戻ります。

安いな。また買おう。

またCさんは、ある程度値が上がるともう少し買っておけばよかったと後悔して、買い増そうと虎視眈々と相場を見ていたりもします。買値付近に戻れば喜んで買い増しをかけたりします。

もっと買っておけばよかった。ちくしょー。

支持線付近で売ってしまったDさんは、一度上がって間違ったなとネガティブに思っているので手仕舞うタイミングを見計らっています。支持線付近に戻ってくれればほぼ損失がなくなってくれますので、喜んで買い戻します。

お願い戻って!

このようにもみ合った付近では買いが集まり支持線が形成されます。支持線の強さはCさんの数で決まるとも言えます。もみ合い期間が長く大量のCさんがいる場合、強力な支持線が出来上がります。期間とその時の出来高を把握しておくことは支持線の強さを測る重要なファクターです。

売りが優勢になり抵抗線ができる

支持線から上放れてくると、利益確定をするCさんが出てきます。上放れるほど利益確定したいCさんは増えますので、売りが優勢になっていきます。

よし、利確!

売りと買いが釣り合ってきたところで、またもみ合いとなります。これ以上上がらないとみたCさんは利確してAさんになります。Bさんはこれ以上上がらないなら売ろうと思い市場に参加してきます。そしてDさんになります。

ここからなら売れる

抵抗線付近では、BさんがどんどんDさんになり、売りが優勢になり値が下がっていきます。値が下がると自分の考えが正しかったと思ったDさんは売り増しを仕掛けようと考えます。

もっと売ってやる

抵抗線付近で買ってしまったCさんは、高値掴みしてしまった自分を後悔しつつも、また値が戻ってきたら手放そうと思っています。

戻らないかな

このようにして売りが強くなる抵抗線が形成されていきます。

支持線と抵抗線の役割が変わる

このように支持線や抵抗線は形成され、支持線は前の安値となり、抵抗線は前の高値となります。売りが強くなり支持線を下抜けたり、買いが強くなり抵抗線を上抜けるということはもちろんあります。ある状条件がそろうと突破により、支持線が抵抗線に、抵抗線が支持線に変わります。

ある条件とは勢いを伴って完全に突破した場合です。長くもみ合うようだと成り立ちません。

支持線を下抜ける

支持線付近では、AさんやCさんは買いに安心感がでてポジションを増やしてみたけど、ここを下抜けてくると流石に不安になってポジションを落としてきます。また売りの勢いも強いということですから、支持線を下に抜けていくことになります。

ダメかも。ポジションを落としてみよう。

そうなってくるとBさんやDさんは売りを仕掛けてきますので、下げが加速していきます。しかし、やがてどこかで新たな支持線ができて止まります。ここは前に説明した通りです。

前の支持線が抵抗線に

新たな支持線から値が戻ってきてまた前の支持線に近づいてきました。前の支持線付近でポジションしたCさんは、一度下がって落ち込んだものの損益分岐点付近まで戻してきたのをチャンスと見て決済します。

よかった。今のうちに決済しよう。

前の支持線を下回ったのをみて売り増していったDさん達は、新たな支持線で跳ね返されるのをみて決済をすでに済ませています。決済を済ませられるくらい深い下落が必要です。そしてまた前にポジションを取ったあたりに戻ってくると二回目にチャレンジしてみたくなります。

うひょー。また売りのチャンス!

こうやって前の支持線は、売りが集まる抵抗線に変わるわけです。抵抗線を上抜けた場合も、前の抵抗線が新たに支持線に変わることも、同じような心理状態が働きます。

 

突破度合いがポイント

支持線や抵抗線を少し超えたとしても、それはあまり意味がありません。そこに参加した人は少ないですし、ポジションを取っている人もあまり動揺しないでしょう。

ポイントはしっかりと支持線や抵抗線を抜いて、ポジションを取っている人の心が大きく動かされるくらい、勢いよく大きく抜くことです。正直これを定量的に表すことはできません。主観で判断していただきたいです。

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まとめ

このようにテクニカル分析で用いる支持線や抵抗線は、人間心理に基づいた根拠があるもので、実際の相場の動きもそれに裏付けています。相場の未来を予想するための大きな手助けになりますので、トレードするのであれば絶対に押さえておきたいポイントです。

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