トルコの金利が低すぎて投資に耐えないと記事にしましたが、あれから5月に政策金利を8%から16.5%に、更に6月にも利上げを行い現在17.75%となっています。
数字だけ見ると17.75%の金利はとても高いようにも聞こえますが、今のトルコの現状を考えると17.75%ではまだまだ低いと言えます。このままだとハイパーインフレとなる可能性があります。
史上最安値更新はアメリカとの関係悪化が表向きな理由
今トルコリラは史上最安値を更新しています。USDTRYは5.08リラで5.00をあっさりと超えてきました。TRYJPYも21.91円で21円台突破になります。EURTRYも5.89リラでこれも最安値です。
この理由として、トルコで拘束中のアメリカのアンドリュー・ブランソン牧師の釈放をめぐり両国がもめていることがニュースとしても大きく取り上げられています。更にはトランプさんが得意のツイッターで大規模な制裁を科すと脅しています。
でも実際にNATO同盟国に対して経済制裁が行われるのか疑問で、11月の中間選挙の票を稼ぐことが目的の行動とも思えます。今の状況で実際に経済制裁を行うとトルコが破綻に向かい世界経済を混乱させることを政府は分かっているはずです。
消費者物価指数の悪化が原因
そんなニュースの陰で今日トルコで消費者物価指数が発表されます。5月は12.1%で、6月は15.4%となっています。7月の予想は16.3%で、政策金利との差は1.5%程しかありません。この予想だけでもトルコリラは売りです。この数字であっさりUSDTRYは5.00を超えてきたとみています。
噂で売って事実で買う現象が起きてくれればよいですが、予想より悪い場合はもう一段の下げの可能性があります。
中期的にはハイパーインフレに警戒
このままだと8月の消費者物価指数は20%を超えてくる可能性が十分にあります。中央銀行は直ちに25%くらいまで利上げする必要があると思います。次回の政策金利発表は9月13日と時間があり、更にErdogan大統領が利上げに反対しているのがネックになります。
インフレの火種はもうすでにかなり燃え広がっている状態ですが、大統領が放水したくないと言っていて思うように消火活動ができないのが今の状況です。じわじわとハイパーインフレに向かっていますが、もし本当にアメリカが経済制裁でもしたら更に加速されるでしょう。
今はトルコの物価動向を監視する必要があります。20%くらいで止まらないようであれば、ちょっと大問題に発展しそうです。
コメント